線が 浅い 深い、とは

01 01, 2016

 書初めは+枠 

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。




ペン字を学習するとき、
どうしても字形のことばかりに気を取られがちですが
それと同じぐらいに、いや それ以上に
線質というものを考えていかなければならないと思っています。

極端なことを言ってしまえば
手書きの字の持つ力は
字形よりも 線質に宿るのではないか。

字形については印刷物からでも学ぶことができますが
線質を印刷物から学ぶことは まず不可能でしょう。

入門前、山下静雨先生のご著書を拝見して感動したものですが
入門後、山下先生の肉筆お手本をいただくようになって
「ご著書に載っている先生の字を見て凄い!と思ったけど
 肉筆は こんなものじゃなかった。
 印刷では肉筆の線の凄さはわからないんだ。」
ということがわかって
ちょっと震えてしまったことをよく覚えています。

印刷のお手本でペン字を学習している方たちは
どうやって線質を学んでいらっしゃるのだろう。



しかし、字形についてのテキスト本は巷にあふれていますが
線質について触れたテキストは 現在 非常に少ないようです。
なぜならば 線質に関することを言葉で説明するのは
とてもとても難しいから。

関西の勉強会、また 東京での勉強会でも

「先生に添削していただいたときに
 線に冴えが欲しい、
 線がすっきりするともっと良くなります、
 とご指導いただくけれども
 線の冴えとは?
 どうすれば線がすっきりするのでしょうか。」

という質問が必ず出ます。

十月に東京で開催された山下先生門下の
「ペン字収穫祭」で
山下先生が
「線質を左右するもの、線質に影響するもの」
を一つ一つ挙げて説明してくださいました。

(ちなみに線質に影響するものとして
 例を挙げてくださったのは
 ・下敷き
 ・ペン先の慣れ
 ・紙
 ・スピード(書くときのスピード感)
 などです。)
   
線質について先生が講義してくださった際に
「線の冴え 線が浅い・深い」ということについて
こんなことを話してくださいました。




昔、先生が書道の師匠のところに勉強に行った時に
「山下君はスタイルもいい、上手だけど線が浅い。」
と言われた。

この、線が浅いっていうのがわからない。
どうしてもわからない。

そしたら、師匠が
それは経験でしかわからない。
経験してきてはじめてわかる、と。


それをなんとか ペン字の方で
皆さんにわかるようにお話しをしたい、
どう言ったらわかってもらえるかと
ずっと考えてきました。

先生なりに線の冴えや深みといったことについて
例を挙げてみるとすると
たとえば
「紙をたくさん重ねた上から
 すごく切れるカミソリですーっと切った線」

「やすりみたいに歯ががたがたになったもので
 がりがりってやったもの。」


その違いが
冴えた線であるか、
冴えていない線であるか、
ということではないだろうか。

切れるカミソリですーっと切ったときには
下の紙まで二枚三枚一緒に切れているわけですね。
その深さがある。
線の深みっていうのは
そういうことを言うんじゃないか。

やすりみたいなのでやったら
上の一枚もギザギザに切れてしまうし
下のほうまできれいには切れない。
そういうのは線が浅いっていうこと。





・・・・・・・・いかがです?

ものすごくわかりやすい上に
実に深い話ではありませんか?
このお話しをうかがった時には
感銘を受けすぎて
ちょっとボーっとしてしまいましたよ。

カミソリで深く切った線!

ペン字収穫祭以来  一人でこの話を思い起こしては
うむ、なんてうなづいたりしておりましたが
新年でありますし、特別お年玉企画として
山下先生のこのお話をご披露するものであります。

・・・・なんて お正月から恩着せがましいですね。

線質についてはまだ書きたいこともあるのですが
大晦日の夜更かしと
お餅、おせち、おぜんざいの食べ過ぎで
いささか頭が朦朧としていますので
また次の機会にします。

本年も、ご一緒に
ペン字の道を てくてくと歩いてまいりましょう。
どうぞよろしくご指導くださいね。



Posted in 線と形
リンク
最近の記事
カテゴリ
月別アーカイブ
メールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文: